さいとう内科外科クリニックからのお知らせ

長引く咳の方は百日咳菌やマイコプラズマに感染している可能性があります。
2012/05/10(木)
普段と違う痰の絡む咳が出たり、咳が長引くようでしたら、「百日咳やマイコプラズマかも」と疑ってなるべく早急に呼吸器専門医に受診して下さい。最近では子供の病気ではなく、全ての年齢の成人にも感染し発症する病気と言われています。治療が遅れ、気道の炎症が進むと、咳と痰が完全に消失するまで約3カ月(百日)程度かかります。的確な抗生物質の内服により、それまで苦しかった咳込みが4-5日で軽減します咳喘息または喘息と診断され、気管支拡張剤(内服・吸入剤)や抗アレルギー剤を処方されても症状が改善されない方は、細菌感染(百日咳菌やマイコプラズマなど)による気管支炎が考えられるため抗生物質による治療を受けることをお勧めします

(百日咳とは)百日咳(ひゃくにちぜき)は、百日咳菌(Bordetella pertussis)による呼吸器感染症の一種です。発症機序は不明で、特有の痙攣性の咳発作を特徴とする急性気道感染症です。世界的に存在している感染症で、地域的な流行が3 - 5年毎に起きるといわれていますが、最近では毎年のようです(マイコプラズマも同様です)。一年を通じて発生が見られますが、春(4月~7月)に流行することが多いといわれています。感染者の4割程度は5歳未満で、2歳未満の子供の場合は重症化しやすく、6ヶ月未満の小児の死亡率が高いと報告されています。また、感染者の6割程度が20歳以上の成人ともいわれ、最近では成人の罹患率が急増しています。成人では咳が長期間継続し典型的な発作性の咳嗽を示さず回復しますが、軽症のため診断が見逃され易く、菌の供給源となり乳幼児への感染源となっているとも考えられています。
(症状)この病気は未治療の場合、回復までに約3ヶ月を要します。潜伏期は6~20日くらいで、普通は7日ほどです。カタル期(軽度の感冒症状)と咳が出現して2週間以内がもっとも感染力が強いです。3週間を過ぎると感染力はほとんどなくなります。感染力は大変強く、咳による飛沫で感染します。最初のうちは普通のかぜと変わりません(カタル期)が、1~2週間がすぎるとだんだんと激しい咳に変わってきます(痙咳期)。発熱のないことが多く、特に夜に咳が激しいのが特徴です。粘性の高い黄緑色痰を認めることも多くあります。その後、徐々に咳発作が少なくなり、2~3週間で咳は軽減します(回復期)。
(診断)呼吸器症状からまず疑い、胸部レントゲン写真や血液検査で所見を分析します。レントゲンでは気管支炎像や稀に肺炎像を認めることがあります。通常では、百日咳の確定診断には血清の抗百日咳抗体の上昇や、気管分泌物などからの百日咳菌の検出を必要とします。
(治療)百日咳菌に効く抗生物質(マクロライド系)を使います。早めに飲まないと効きめがよくありません。2週間ほど使用します。激しい咳を抑えるための咳止めや去痰剤、時に気管支拡張剤などを使います。尚、マイコプラズマ感染症も同様の治療法となります。

 最近では年長児と成人の百日咳が流行するようになりました。DPTワクチンをしていても抗体が下がってしまって感染するのです。さらに百日咳は自然感染しても終生免疫が得られないため、一度かかった人でも同じ年にまたかかることがあります(マイコプラズマも同様です)。年長児と成人の場合、症状は乳幼児に比べると典型的ではないので、感染源として問題になります。長引く咳などがある年長児や成人などの早期診断、早期治療が必要です。咳が長引くようでしたら、「百日咳かも」と疑ってなるべく早急に呼吸器専門医に受診し、的確な抗生物質投与などの治療を受けてください。